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2017年9月15日金曜日

MARGARET HOWELL (マーガレット・ハウエル) 英国発のクラシカルでモダンな服






MARGARET HOWELL (マーガレット・ハウエル)

ロンドンのゴールドスミス・カレッジを卒業後、アクセサリーのデザインを経たデザイナーが、1970年に発表したメンズシャツに端を発するブランド、MARGARET HOWELL (マーガレットハウエル)

デザイナーのライフスタイルにおける信念でもある「シンプル&ベーシック」を基本に、着心地や機能性を大事にした服作りで、性別を問わず人気の高いユニセックスブランドです。




今でこそメンズ、レディースともに展開があり、家具なども手掛けているブランドですが、起源がメンズシャツというだけあって、レディースのコレクションはメンズよりも遅れた1980年にスタートしました。

女性デザイナーでありながら先にメンズからスタートしたことには、実はこのブランドの根本的な考えが反映されています。


DESIGN PHILOSOPHY(ファッションに対する根本的な考え)

わたしは、1970年代に、コート、ジャケット、トラウザーは全て、メンズ用に仕立てられたものがウィメンズ用にも適していると感じました。わたしは、ブラウスよりシャツを好んで着用しました。底が平らな靴とジーンズは、スカートやドレスよりも実用的に着用できます。メンズ用衣服の機能性は、活動的で仕事をする上の生活スタイルにより適していますが、わたしはメンズ用衣服の表、裏、両面の作りにも魅了されました。テーラリング、シャツ、ネクタイ、全てが伝統的な手法で作られています。
 わたしは、専門的な技術を持つ工場を探し始め、彼らのスキルを楽しみながら仕事に取り組みました。物作りは、デザインにおいて多くの部分を占めることです。それ以外の部分とは、もちろん、コンセプトです。コンセプトがデザインを刺激し、デザインに存在理由を与え、そしてデザインの個性も与えるのです。
 メンズあるいはウィメンズの衣服をデザインする際のわたしの基準は、他の製品デザインにも同様に当てはまります。つまり、素材、機能、感覚的において相応しいか、ということです。しかしながら、わたしの表現形式はおそらく、個人的な価値観を反映しているようです。
 これらは、考慮を重ねた上で編集された手法で表現されるのかもしれません。そこでは品質が数量よりも重要であること、そして「粋であること」よりも重要であります。それは、生地を触ったときの感覚と、生地の特性に対しての打ち解けた姿勢でもあり、例えば、始紡糸が含まれていることや、高品質なコットンやリネンに入っているシワや、そしてハリス・ツイードやウーステッド服地のような伝統的な織りの良さを味わうことです。
 これらは、カラー、着心地、そして今、着るにふさわしいとされる衣服に対する直感的な感覚に加わる、根本的なことです。わたしが衣服をデザインしたいと思っている人たちは、12シーズンを経ると時代遅れに見えるような、流行を追った衣服を求めておらず、現代的なセンスにおいて「正しく」見せる衣服を求めているのです。

                                    引用:MARGARET HOWELL HP



メンズ服の持つ機能性や実用性への感心、そして伝統的でクラシカルなディテールに感じる魅力、これらがマーガレットハウエルの根本にあります。

素材(着心地)や機能性という要素を大事にした服作りには、その姿勢が滲み出ていると言えるでしょう。

またコンセプトとデザインを切り離さず、互いに働き合う両輪として捉える考え方には、飽きの来ないタイムレスなデザインの由縁が見える気がします。

定番アイテム、シャツ


前述にもありましたが、そんなマーガレットハウエルを代表するアイテムであり、ブランドの起源とも言うべき名作がシャツになります。

デザイナーは仕事を始めた初期の頃にフリーマーケットで古着のビスポークシャツに出会います。

そしてそのヴィンテージシャツの完璧な作りとコットン生地の質の良さに感銘を受けたことが1970年のメンズシャツの発表に繋がります。


当時イギリスと言えばやはり英国紳士のトラッドなイメージが強く、シャツはプレスのかかった物であると考えられていました。
 しかし古着から着想を得たマーガレットハウエルのシャツは、糊が効いていないどころか、洗いざらしでの着用を提案し、「英国の伝統を打ち破ったデザイナー」として高く評価されました。

参照:FASHION PRESS  



そうして脚光を浴び始めてからは、サヴィル・ロウに女性デザイナーとしてはじめてメンズのショップをオープンし、王立芸術協会より英国のデザインに関する表彰の中で最高の栄誉である「Royal Designer for Industry」に選出されるなど、様々に活躍してきました。

シャツはそんなブランドの躍進の起源となったアイテムで、初めて出会ったあのヴィンテージシャツと同等な品質水準での製作を実現するため、熟練したマシーニストたちによって手掛けられています。

FAVORITE SHIRTS (フェイバリットシャツ)



その中でも最も定番としてあげられるのがこちらのフェイバリットシャツです。

ヨーロッパで愛され続けているという「アイリッシュリネン」という素材を用いたこちらのモデルは、古着のようなソフトな風合いがあり、

洗いざらしで着用する提案に沿うように、洗濯を繰り返しても弱くなりにくいのが特徴です。



機能にも注目しているブランドと言いましたが、吸水力と発散性にも非常に長けており、ちょっと透け感のある見た目も相まって清潔感の溢れる一着になっています。

定番でリリースされ、ディテールや素材感によって多少前後しますが、価格帯は¥26,000~30,000前後です。

MHL (エムエイチエル)



またもう一つ紹介しておかなければいけないのが、2003年にスタートしたカジュアルライン、MHL (エムエイチエル)です。

MARGARET HOWELL (マーガレットハウエル)よりも一回り安い価格帯ですが、こちらは日本で企画され生産されているラインになります。



ですのでライセンスで名前だけ借りているブランドは認めない、という強い拘りがある方にはオススメできませんが、

またこちらは完全な別物としてシンプルに可愛らしいブランドです。

日本のユーザー向けに作られていることもあり、こちらの方がワークやミリタリーといった要素を取り込んだデザインになっています。

MHL ポケットTシャツ



こちらはこちらで、ポケTやチノパン、軍パンなどの定番アイテムがあります。

不思議ですが、身につけている人からは落ち着きのある知的な雰囲気が感じられる気がします。

性別に囚われにくく、ユニセックスで着られる可愛らしさも良いですね。


ここまで紹介してきたブランド、マーガレットハウエル。


セカンドラインからでも構いませんので、是非実物を手に取ってみてください。


参考文献

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